家族について思うこと

カウンセリングをしていて頻繁に思うのは、世の中には何てたくさんの愛のない家庭があるんだろうということだ。
「血を分けた子どもを愛するのは、親として当然」と、私の子ども時代や青少年の頃のドラマではそのような心あたたまるセリフがあったが、そういうのを見てはいつも「それは嘘だ」と感じてきた。
今、様々な親子間の暴力沙汰や虐待問題がニュースで流れるたびに「親子だからと言って、親が子を愛するということは決して当然のことではない」ということを、みんながもっと知るべきだと思っている。

「親が子どもを愛するのは当然のことではない」と知った上で、「親は生まれてくる子どもを、成人するまで一時的に預かっているだけ」という認識を社会全体が持つのが良いと考えている。
そうすれば、子どもに対する一方的で不条理なコントロールや、自分のネガティブな感情を子どもに押し付けるような幼稚で失礼なことや、子どもを自分の持ち物のように感じるおかしな思い込みも減るだろうと思える。
子どもと少し心の距離を置くことでゆとりが生まれ、子どもも(自分と同様に)いつか社会のお役に立てるように大切に育てようとか、自分に似た小さくて可愛い存在に自然に愛情を持つこともできるのではないかと思える。

そして子ども側からしても「自分はこの家族として18歳まで預けられているだけ」ということを知っていると、親をただ親だからという理由で盲目的に尊敬したり従ったり反抗したりするのではなく、ただ「人」という理由で尊重や感謝、または許すといったことができるようになるのではないだろうか。

もっと冷静に、家族という単位でお互いを尊重して、話し合いや愛の交換ができるようになるのではないだろうか。

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