まんじゅしゃげ【くろまめ日記】
今日はすずしい日だった。
ほんとうに久しぶりに、お散歩ですずしいなぁって思った。
それでね、赤いきれいな”まんじゅしゃげ”が咲いているのを見かけた。
どんなに気候が変わっても、やっぱり日本のお彼岸のときには咲くんだね。
ぼくはオシャレなまんじゅしゃげたちが見れて、うれしかった。
まんじゅしゃげたちは知っている。
キレイに咲く自分たちが、亡くなった人たちに喜ばれていることを。
「また咲いてるね!きれいだね!」って川の向こうにいる人たちが、話しかけてくれるんだって。
もちろん天国にも咲いていて、「お!彼岸か!」って、なつかしい地球の行事に気が付く人がいるんだって。
花を見て、ちょっと地上に降りてみようかって近所の人と話しあったりもするんだって。
ぼくにも、まんじゅしゃげの中で宴会している天国の人たちが見えた。
天国のお酒はとびきりおいしいのだって。
生きている人たちが、春にさくらを見てお酒を飲むのと同じだね。
すごく楽しそうだよ。
ぼくが見かけたまんじゅしゃげたちは、もっともっと人たちに喜んでもらいたくて、
ますます赤く、きれいになろうとしていた。
細い花びらのふちをひらひらさせて、めしべをしっかり上向きカールさせて。
あんまりきれいだから、ぼくはちょっぴり、うっとりしちゃったんだ。
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