神との対話【解説】P111~113人生が上向く方法④「欲求不満と不安を超える魂の声を聞く」
前回、誰もが迎える死について、神さまが語られました。
死というものは本来、負けでも失敗でも忌まわしいものでもなく、ただ自然なプロセスです。
でも、私たちのエゴは死を受け入れることを怖がり、拒み、何が何でも生き延びるよう仕向けます。
死を怖れることは、この世に生きるものの本能でもあります。
しかし私たち人間は、本能だけでなく思考する力(意図や意志)をもちます。
逆説的ですが、すべての命を尊んで日々を大切に生きるという意識があるなら、死というものがただ怖いだけのものではないということが理解できるように思います。
111ページから、神さまは「魂」についてのお話をされています。
私たちの命を生かしている「魂」は、身体と精神の親…ニールさんの言うボスのような存在です。
魂には唯一の目的があると、神さまが言われました。
発達進化することが魂の目的であることははっきりしている。
神との対話1 P111
それが唯一、「魂の目的」である。
身体が何を達成するか、精神がどう展開するかはどうでもいい。
魂にとっては無意味だ。
私たち自身の「魂の目的」が発達進化することなら、発達進化の先には何があるのでしょう。
ここまで神との対話を学んできた人なら、分かるはずです。
私たちは神として…創造者としての栄光を経験し、素晴らしい愛の中に生きることができるようになります。
つまり、完全に幸せな状態です。
また、身体を去ることは、魂にとってはべつに悲劇ではない。
神との対話1 P111
いろいろな意味で、身体にとどまるほうが悲劇だ。
だから、魂はまったくべつの見方で死を見ている。
それを理解しなくてはいけない。
1度きりの人生では、私たちの魂は満足した結果を得ることができません。
「発達進化」のために、私たちは何度も何度も、繰り返し生まれ変わります。
死は魂にとって、ただ自然な次のステップへのプロセスだとみなされているのです。
もちろん、「生きること」も(魂は)違う目で見ている。
神との対話1 P111~112 *( )内は解説者の注釈
それ(”生きること”に対する魂の見方と人の見方との違い)が、人生で感じる欲求不満や不安の大きな原因になる。
欲求不満や不安は、魂の言うことに耳を傾けないから起こる。
多くの人が、欲求不満や不安を感じていることでしょう。
それを解消するには、自分の魂の言うことに耳を傾ける必要があるようです。
ここでニールさんは、どうすれば魂の声に耳を傾けられるのか?
どうすれば(身体や精神のボスである)魂からの指示だと確信できるのか?と、神さまに質問しました。
まず、魂が何を追求しているのかを、はっきりと知ることだ──
神との対話1 P112
そして、それについて批判するのをやめること。
私たちは魂の声を聞くことで、「本当の自分が望むこと、魂が今追求したいこと」を知ることができます。
魂の声を聞き、素直に…または勇気を出して発言したり行動したりすることで、欲求不満や不安は解消されていきます。
まだ瞑想や内観が一般的でなかった20数年前は、今よりもずっと「自分の魂の声を無視し、批判してしまっている人」が多かったはずです。
それどころか魂の存在さえ否定して、すべては”物(身体と脳)”でしかないと信じている人たちの声が、大きく聞こえていました。
初詣に行き、お盆にはお坊さんにお経を読んでもらい、クリスマスを祝いながらも、神や魂の存在を否定したり信じていなかったりする人が普通にいらっしゃいました。
私たちはなぜか、長い間「魂」そのものを否定していました。
ニールさんも、自分の意識が”魂の声”を批判していることを知りませんでした。
ニールさんはクリスチャンの家庭で育っていらっしゃったので、この対話が始まる前まで「神」は信じていても「魂」の存在を信じてはいなかったと思われます。
お話を”欲求不満や不安は、魂の言うことに耳を傾けないから起こる”というところに戻します。
小さな子供の頃から長年にわたって、素直に行動したい気持ちを戒められ、コントロールされているうちに、私たちは自分で自分を批判することが正しいことだと思うようになります。
「こんな私はダメ。もっとちゃんとしなきゃ!」と自分を否定して、恥ずかしささえ感じ、そしてそう思うこと…すなわち自分を批判することが正しいと信じてしまっているのです。
ニールさんも同様でした。
そのためニールさんは神さまに言われてもすぐにはそれを理解することができず、神さまに”私が自分の魂を批判しているのですか?”と聞きなおしました。
いつも、そうだ。
~略~
あなたはどこかで、喜びを拒絶することが神々しいと思い込んだ。
神との対話1 P112
人生を喜び、ほめたたえることは、きよらかなことではないと思っている。
喜びを拒絶することが神の意志にかなうと自分に言い聞かせている。
厳しい家庭で育ったニールさんにとって、”喜びを拒絶することが神々しい”と思い込んでしまったことは当然のことでしょう。
ニールさんはここで、「それは悪いことなのでしょうか?」と神さまに質問しました。
あなたがたがあれやこれやを拒絶せよと自分に言うのは、そうすべきだと頭から思いこんでいるからだ。
そこで、拒絶するのが善であると言う。
それから、どうして良い気分にならないのかといぶかる。まず自分自身を批判するのをやめなさい。
神との対話1 P113
何が魂の望みかを知って、それに従いなさい。
魂とともに行きなさい。
神さまははっきりと、以下のことを私たちに勧めました。
○自分自身を批判しないこと。
○魂の声を聞いて、それに従うこと。
○魂と共に歩くこと。
以上のことは、自然にできるようになるまでは意識的にやっていく必要があります。
そうしていくうちに私たちは自然に…常に自分の心とその奥にある魂の声を聞きながら生きることになり、「欲求不満や不安」は解消されていきます。
次回は、魂が追求していることについて、お話します。
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