86.神との対話【解説】P185~189 人間関係♡恋①「素晴らしい出会い」
前回神様は他人との関係において、神が定めるような義務はなく、ただ関係を築ける機会があるだけだと教えてくださいました。
確かに私たちが誰かと関わる時、相手が自分の”好き”な人であればあるほど”義務感”から大切にされるより”愛”から大切にされる方が嬉しいに決まっています。
目の前に好みの人が現われたとき~それが我が子でも恋人や友人でも~、「大切にしなければ」という義務感より「大切にしたい」と自然に感じる方が、自分も相手も大きな喜びを感じるはずです。
しかし神さまは下記のように、ニールさんに言われました。
あなたは義務のない関係を考えられない。
神との対話1 P185
ほんとうの自分を受け入れられないからだ。
「ほんとうの自分を愛する」ことができなければ、人を愛するのは難しいようです。
当時のニールさんは、幼少の頃から教えられてきたルールに縛られ、強い罪悪感や自己嫌悪に悩まされていました。
神との対話が始まり、神さまが丁寧に何度も「あなたは神であり愛だ」と伝えても、なかなか受け入れることができませんでした。
そのような状態のニールさんにとって、「人間関係に義務はない」と聞かされても、
「え?それではまっとうな恋愛や、夢に描くような幸せな結婚生活をするには、いったいどうすればいいのか?」と疑問に思うのは仕方がないことでした。
ニールさんはまず最初に、自分自身を愛して受け入れる必要がありました。
ここでニールさんは、ご自分の恋愛の悩みを神様に打ち明け、質問しました。
ここからが今日のお話です。
ニールさんの悩みは、
「1人の人との関係が続かない」
「関係が難しくなるたびに、投げ出してしまう」
「複数の人との関係を、断続的にもつことになってしまった」
「一つの関係を続けたい。そのためにはどうしたらいいか?」
ということでした。
神さまは最初に、ニールさんが思う「短い人間関係は悪くて、長い人間関係は良い」という思い込みについて、以下のように説明されました。
1.人間関係が長続きすれば、うまくいったのだと勘違いしないようにしなさい。
地上でのあなたの務めは、どれほど長く人間関係を維持できるかを試すことではなく、
ほんとうの自分とは何かを決定し、本当の自分を経験することであるのを忘れてはいけない。
2.ただし、長い人間関係はお互いの成長、経験、充足にとって、すばらしい機会だし、それだけすばらしい成果がある。
ここでニールさんは、長い人間関係のすばらしさについては、それを知っており、これまでも望んできたことを神様に伝え、「でもどうしたら、それが可能になるのでしょうか?」と質問されました。
神様は以下のように答えています。
第一に、正しい理由で人間関係を結ぶこと。
神との対話1 P187
「正しい」と言っても、相対的な意味で、あなたの人生の大きな目的に照らして「正しい」ということだ。
前にも言ったように、たいていのひとはいまだに「間違った」理由から人間関係を結んでいる。
神さまが言われる「人が恋愛をする間違った理由」というのは、以下の通りです。
・寂しさから逃れるため
・心のすきまを埋めるため
・愛を感じたいため、ひとに愛を感じさせたいため
・自我を救うため
・憂うつから脱したいため
・性生活を向上させるため
・過去の経験から立ち直りたいため
・退屈だから
そして以上のような人間(恋愛)関係は、満たされるはずがなく、うまくいかないと言われました。
ニールさんは、「そんな理由で人間関係を結んではいない」と神様に伝えましたが、神様はそれに同意しませんでした。
神さまは「どうして人間関係を結んだか、わかっていないだろう?」とニールさんにたずね、「目的意識をもって人間関係を結んだのではなく、たぶん『恋に落ちた』から人間関係を結んだのだろう」と、聞きました。
ニールさんは「そのとおりです」と同意しました。
神さまは、振り返って考えるようにと、ニールさんに促しました。
あなたは、自分がなぜ「恋に落ちた」か、立ち止まって考えたことがないのではないか。
自分が何に反応したのか、考えたのか?
どんな必要性を満たそうとしたのか、考えたか?たいていの場合、愛は、充足したいという欲求への反応として起こる。
神との対話1 P187
~略~
あなたがたはお互いに、充足したいという欲求を満たすチャンスを見出した。
そこであなたがたは(暗黙のうちに)取引をする。
あなたが持っているものをくれるなら、わたしも持っているものをあげましょう、という取引だ。
これは商行為だ。
だがあなたがたはそんな真実は口にしない。
「あなたと大きな取引をします」とは言わず、「とても愛しています」という。
それが失望のはじまりだ。
ここでニールさんは身につまされた様子を見せながら、
「何も考えずに、激しい恋に落ちることのどこがいけないんでしょうか?」と、神様に反抗しました。
べつにいけなくはない。
好きなだけおおぜいと恋に落ちるがいい。
しかし、一生続く人間関係を築きたいのなら、少しは考えたほうがいいのではないか。逆に、水が流れるように次つぎに人間関係を結ぶのが楽しいなら、あるいはもっと困ったことに「そうあるべきだから」と決めつけて一つの人間関係にとどまっているなら、静かに絶望して人生を送ることになる。
神との対話1 P188-189
そういう過去と同じパターンをくり返すのが楽しいなら、これまでと同じように生きていけばいい。
恋愛を楽しみたいと思う人は多いでしょうが、逆に「こうあるべきだから」と愛を感じない相手と関係を続ける人も多い世の中です。
私自身も、たくさんの同様の悩みを聞いてきました。
こうして神様は容赦なく率直に、恋愛関係や夫婦関係を含む大切な「人間関係の智恵」を教えてくださいました。
私たちは、目的意識をもって人間関係を結ぶことができれば、長続きする人間関係を築くことができるのです。
自分も相手も、同じ目的をもっていることを確認しなさい。
お互いが、人間関係の目的は義務を作ることではなく機会を創り出すことだと考えれば、成長し、自分を充分に表現し、人生をできるだけ高い位置に引き上げ、自分自身にいだく間違った考えや卑小な考えを癒し、最後には二人の魂の合体を通じて、神とひとつになるための機会を創り出すことだと確信すれば
神との対話1 p189
─そしてあなたが、これまでのような誓いではなく、そういうことを誓えば─
人間関係はとても良くなる。
正しい一歩を踏み出すことができる。
非常にすばらしい出発点になる。
以上の言葉は、恋愛に限らず、すべての人間関係に当てはめて「素晴らしい出発点(出会い)」にするための考え方だと思いました。
たとえば就職をする際の上司との出会いについては、
「協力して会社組織をより良くする一員になる。そして報酬を得る」という目的意識を持ち、その意識が上司の目的と合致すればお互いに良い気持ちで仕事ができることでしょう。
学校や職場で出会った仲間たちについては、
「楽しく気持ち良く、この学校(職場)で過ごそう」という目的意識がお互いに合致すれば、協力して長続きする良い関係を維持できることでしょう。
恋愛や夫婦関係については、上記の引用文そのままでも理想的です。
「目的は義務を作ることではなく機会を創り出すことであり、互いに成長し、自分を充分に表現し、人生をできるだけ高い位置に引き上げ、自分自身にいだく間違った考えや卑小な考えを癒し、最後には二人の魂の合体を通じて、神とひとつになるための機会を創り出すこと」
・・・しかし上記のような神様が言われた恋愛関係の”目的”は、あまりに崇高で、お相手と合致することは難しいと思われるので、下記のような例を考えました。
「互いに愛を感じつつ、永続的に、共に幸せと安らぎと楽しみと魂の向上の機会を得る」
このような目的が、お相手と合致すれば良いのではないでしょうか。
以上のように、出会いで大切なのは、まずは自身の「関係に求める目的の設定」です。
わたし(あなた)は、この関係に何を求めているのでしょうか。
そして「相手も同様の目的をもっているかどうかを確かめること」も、大切だということが解りました。
その人は、わたし(あなた)と同じ目的をこの関係に求めているでしょうか。
関係の「目的」は、人それぞれに異なっていて良いと神様が言われています。
自分の目的に叶い、同様な目的をもった相手が、きっと現れるはずです。
または今は同じ目的をもっていなくても、次第に変わっていく相手が現れるはずです。
自分が人間関係の目的としてこれまで何を設定してきたのか、これから何を設定していくのか、今一度考えると良いでしょう。
今日はここまでです。
次回は「素晴らしい出会いの後」について、お話があります。
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