キャリアオイルの特徴と使い方

キャリアオイルの特徴と使い方

キャリアオイルは単独でも使用できますが、ほぼ香りはありません。
キャリアオイルでエッセンシャルオイルを0.5%~1%に薄めて、マッサージやトリートメントに使用します。

アプリコットカーネル油

♪ベビーにも
(特徴)
オレイン酸が約65%と豊富に含まれ、肌にやさしい極上のスキンケアオイル。浸透性に優れている。肌を軟化し、しなやかさやハリを保ち、荒れた肌を再生する。トリートメントに用いると粒子が細かく感じられ、つけたときのさらっとした感触が心地よい。精製度が低いものは、杏仁の甘い香りが強く残る。
(使い方)
単品で使え、オールマイティー。皮膚がはがれたり、めくれたりしているときなどや湿疹、かゆみなどがある敏感肌、やつれた肌、くすんでつやがない肌、乾燥肌、赤ちゃんの肌や妊娠線予防などに。やや効果だが、美容のためのクラフトやトリートメント用に。

アボガド油

(特徴)
オレイン酸が70%、リノール酸が10%、パルミトオレイン酸が5~10%ほど含まれ、レシチン、ビタミンA、E、B群などが豊富。保湿力に優れ、角質化した足裏、かかと、ひじなどを軟化する。冬場の乾燥した手足に。美容液やクリームに加えるとリッチな使用感になる。筋肉や肌の炎症を和らげる。肌に栄養を補給し、若々しさを取り戻す。
(使い方)
どろっとしている。軽くてすべりが良い他のキャリアオイルに、全体の10~25%だけアボガド油を加えると使いやすい。開封後、4ヶ月~半年ほど品質を保つ。アボガド油をマカデミアナッツ油、アルガン油、アプリコットカーネル油、ピーチカーネル油、ローズヒップ油などとブレンドすると美容液として最高の組み合わせになる。

アルニカ油

(特徴)
打撲や捻挫の痛みを和らげ、腫れを鎮め、怪我の回復をはやめる。
(使い方)
怪我をした直後に、なるべく早く全体的に塗布する。打撲、あざ、傷、やけど、捻挫、筋肉痛、テニス肘、関節炎、リウマチ、腰痛などのほか、精神的なショックの後にもよい。高価なオイルなので他のキャリアオイルとまぜて使うことが多い。

オリーブ油

(特徴)
心身ともに消耗し、疲れ切っている人に。筋肉をほぐし、痛みや疲労を緩和する。オレイン酸が約70~80%、リノール酸は5~10%ほど含まれている。ビタミンAやEも含まれる。乾燥肌をやさしく保護、柔らかさを保ち、しわやしみを予防する。虫刺され後や皮膚の炎症を緩和。
(使い方)
オリーブ油には幾つかグレードがあり、エキストラバージンを選ぶと一番良い。香りが強いので他のオイルと、全体の20~25%だけ混ぜると使いやすい。老化肌、爪や頭皮の手入れ、妊娠線予防、クレンジングなどに使われる。化粧用オリーブ油、局方オリーブ油、オリーブスクワラン油は、どれも精製・脱臭され、ほぼ無臭、単品でも使える。オリーブすくワラン油は、軽い感触ですべりが良い。

カメリア(ツバキ)油

(特徴)
オレイン酸が約85~90%と多く含まれ、肌にやさしい。リノール酸は2~4%と極端に少ないので酸化しにくく、安定性が高い。紫外線から肌を守る。独特の香りがあり、やや油っぽいと感じるがよく浸透する。育毛効果があり、頭皮へ栄養と潤い、弾力を与え、髪を太くしっかりさせる。ふけ、かゆみ、切れ毛、抜け毛、白髪、枝毛の予防に。
(使い方)
シャンプー前に頭皮になじませる。または洗面器のお湯に1、2滴入れてリンス代わりに使う。2週間ほど続けると良い。アフターシェイビングオイル、UVケアとしても使える。香りが強いものは、他のキャリアオイルに全体の20~25%ほどまぜると良い。精製ツバキ油は、無臭で低刺激性、感触もさらっと軽い。入浴直後につけるとアトピー肌や敏感肌を保護する。

カレンデュラ油

(特徴)
カレンデュリン、サポニンなどの有用成分とカロチノイド、フラボノイドなどの色素がベースの植物油に溶け出した黄色のオイル。鎮痛作用、抗炎症作用があり、皮膚を再生して傷を癒す力が強い。そのため、痛がゆい肌、荒れた肌、日焼け、やけどのあと、炎症や湿疹がある敏感肌を落ち着かせる。静脈瘤、打撲のときにも使うことがある。
(使い方)
傷や皮膚の炎症を最小限に抑え、回復を促すオイル。赤ちゃんのおむつかぶれ、湿疹、授乳時のお母さんの乳頭(授乳直前には、オイルをふき取る)、きり傷などのケアに使われる。単品でも良いが他のキャリアオイルに20~25%ほど混ぜて使うことが多い。みつろうと一緒に難航に仕上げるのもお勧め。肌が敏感なときには、パッチテストをすること。

キャロット油

(特徴)
カロチノイド、ビタミンA、B、C、Dを含み、荒れた粘膜や皮膚を修復して再生する。治りにくい乾癬や湿疹に使われる例もある。秋から冬にかけて唇や指先の乾燥、手荒れや主婦湿疹、あかぎれ、やけどのあとに役立つ。やや粘性があり、どろっとしているので他のキャリアオイルに10~20%くらいブレンドされることが多い。
(使い方)
老化しやすい首や手に。入浴後、キャロット油を唇に塗り、ラップで5分ほど覆った後、余分なオイルはティッシュペーパーをのせてこすらずに吸い取る。キャロット油、スイートアーモンド油、シアバター、みつろうを材料にしてリップクリームを作ると、持ち運べて便利。ラベンダー、ペパーミントなどの精油を入れると良い。

グレープシード油

(特徴)
トリートメントをするときに手の動きが軽く感じられ、のばしやすい。他のリノール酸主体のオイルと比べて使用感はソフトでさらっとしており、油っぽい感触はまったくない。主成分はリノール酸で、約60~70%。ビタミンEが多く含まれている。肌のクレンジングやエモリエント効果(皮膚に潤いを与え、柔らかくする働き)があり、乾燥肌~脂性肌のかたに向く。
(使い方)
夏場など汗ばむ季節に、あるいは背中やお腹など広い面をトリートメントするときにおすすめのキャリアオイル。グレープシード油やホホバ油を使うと、あとのべたつき感が残らない。また、クリームや乳液の材料としても便利。やや酸化しやすいリノール酸の性質を考慮し、早めに使い切る。オイルがしみたタオルは、オイルの酸化臭がするので、すぐに洗濯すること。

ゴマ油

(特徴)
セサモリン、セサモールなどゴマ特有の抗酸化物質、ビタミンEを含む。酸化しにくく、長期間の保存が可能。老化を予防し、毒素排出(デトックス)、頭皮ケア、リウマチや関節炎に役立つ。一度100~120度に温め、冷ましてから遮光容器で保存・使用する場合もある。この前処理(キュアリング)を施すと、抗酸化物質が増える。
(使い方)
トリートメントには、焙煎せずに生ゴマを搾った太白油を用いる。アボガド程ではないが、やや油っぽく、表面に薄い膜が残る感じ。すべりが軽い他のキャリアオイルと混ぜると良いが、単品での使用も可能。

小麦胚芽油(ウィートジャーム油)

(特徴)
リノール酸55~60%、オレイン酸20~30%のほか、ビタミン類も豊富に含む。抗酸化作用があるビタミンEは、特に多い。しもやけや肌荒れ、乾燥した肌、炎症した肌、老化肌を整える。こっくりしたクリームをつけたような感触が残る。
(使い方)
単品で使わず、全体の5~10%を目安に他のキャリアオイルと混ぜると良い。手荒れようのハンドクリーム、乾燥した唇のクリーム用にシアバター、アボガド油、マカダミアナッツ油などとブレンドする。開封後は、早めに使い切る。アロマテラピー用のオイルがないときは、サプリメントの小麦胚芽油のカプセルで代用できる。新鮮で良い。小麦アレルギーのかたは避けること。

スイートアーモンド油

♪ベビーにも
(特徴)
ゆっくり浸透し、有用成分がやさしく穏やかに作用する。赤ちゃん、敏感でかゆみのある肌によくなじむ。オレイン酸60~80%、リノール酸約20%のほか、パルミチン酸、ビタミンA、B群などを含む。抗炎症作用、保湿作用、皮膚軟化作用があり、やわらかさを保つ。早めに使い切る。
(使い方)
単独で使える。安価で手軽。他のキャリアオイルにこのオイルを混ぜると、肌への効果が高まる。手足のひび割れにオリーブ油、小麦胚芽油、キャロット油などを、混ぜて使う。失神、肌荒れ、赤ちゃんのケアには、単品かカレンデュラ油と混ぜて使う。

セントジョーンズワート(ハイペリカム)油

(特徴)
花に含まれる精油、ヒペリシン、フラボノイドなどが有用成分。赤い色のセントジョーンズワート油は、打撲や捻挫、腰痛、切り傷など様々な痛みを和らげる。毒素排出(デトックス)の作用があり、じんましん、傷、痔、炎症に効果がある。効果なオイルなので、他のキャリアオイルと混ぜて使うことが多い。
(使い方)
打撲、筋肉痛、捻挫、関節炎、リウマチ、静脈瘤、神経痛に。神経組織の炎症、より鋭く刺すように感じる痛み、深い部位の痛み、ピンポイントでの痛みの箇所に塗布する。単独でも良いが、相乗効果を期待して、アルニカ油、マカダミアナッツ油、へーゼルナッツ油などと混ぜる。すりむいたような傷や切り傷、日焼けを含むやけどには、単品かまたはカレンデュラ油と混ぜる。

月見草油(イブニングプリムローズ油)

(特徴)
リノール酸(60~75%)とγ-リノレン酸を約10%含む。これらの成分を過不足なく摂取することで免疫系を強化し、アレルギーや炎症反応、老化、ホルモンバランスを間接的に調整するとされ、月見草油は、内用も外用もされている。酸化が早いので少量ずつの購入が望ましい。
(使い方)
新鮮なうちに使い切る。他のキャリアオイルに10~20%くらいの割合で混ぜる。ホルモンのアンバランス、更年期の症状、PMS(月経前緊張症)、月経痛、肌の乾燥や炎症、湿疹、アトピー性皮膚炎、関節の痛みや炎症、リウマチなどに月見草油を外用だけでなく、サプリメントなどで摂るのも良い。サプリメントのカプセルを割って、トリートメント用にすることもできる。

ピーチカーネル油

(特徴)
オレイン酸が60~65%。リノール酸が25%ほど含まれる。同じバラ科で、種子の仁が原料のアプリコットカーネル油やスイートアーモンド油と似た作用をもつ。老化肌、敏感肌、乾燥肌、肌荒れ、かゆみ・湿疹のある肌に、ボディとフェイスと両方に使うことが多い。皮膚を保護し、栄養を与える。
(使い方)
美容に役立つ。脂性肌や混合肌ならホホバ油を少し加えたり、乾燥肌ならアボガド油を少し加えるなど、工夫して使うと良い。

ヘーゼルナッツ油

(特徴)
オレイン酸が約40%、パルミトオレイン酸が20~25%と他のキャリアオイルより圧倒的に多い。このオイルは、浸透性にすぐれ、ブレンドした精油の浸透も早める。粘性はあるが、浸透が良いのでそれほど油っぽく感じられない。痛んだ肌の回復、脂性肌を収れんする。体液循環を促し、筋肉に作用するともいわれている。
(使い方)
独特の香りが気になるときには、他のキャリアオイルとブレンドする。パルミトオレイン酸は、皮膚の再生に関係する重要な脂肪酸。加齢とともに現象するので、美容液を作るときにへーゼルナッツ油やマカダミアナッツ油を少し加えると良い。この二つのナッツ油のブレンドは、むくみや肩こり、筋肉痛にも役立つ。

ホホバ油

(特徴)
安定性と耐温性が高く、品質を長く保てるオイル。低温で固まるが室温で元に戻る。主成分は、高級脂肪酸と高級アルコールからなるエステル。さっぱりして、油っぽい感じはほとんどない。皮脂バランスを調整、炎症を抑え、しわ・しみを防ぐ。ネイティブ・アメリカンが強い陽射しと乾燥から髪と肌を守るために使っていた。
(使い方)
シルクのような感触をもち、単品で使える。フェイシャルカらヘアケア、クラフトまで用途が幅広い。特に肌の炎症、ニキビ、脂性肌、老化肌に向く。ごく少量ずつローズ芳香蒸留水と混ぜても良い。頭皮にすり込んでからシャンプーをすると育毛効果もあり、髪につやを出す。この場合、リンスは不要。

ボリジ(ボラジ)油

(特徴)
月見草油と作用が似ている。どちらもγ-リノレン酸を含み内用と外用に使われる。体液循環促進、免疫系の強壮、皮膚軟化、皮膚活性、保湿、しわを予防する。副腎を強壮する効果が示唆されている。
(使い方)
新鮮なうちに使い切る。他のキャリアオイルに10~20%くらいの割合で混ぜると良い。精神的なストレス、悲しみ、失望などの感情があるとき、病後、更年期の症状、PMS(月経前緊張症)、月経不順、月経痛、湿疹、アトピー性皮膚炎、花粉症、関節炎、リウマチなどにボリジ油を内用と外用する。サプリメントのカプセルを割って、トリートメントに使うこともできる。

マカダミアナッツ油

(特徴)
酸化しにくく、長期の保存ができる。オレイン酸が55~70%。ビタミンA、E、Bも含まれており、皮膚の若返りを助ける。肌になじみやすくて使いやすい。
(使い方)
皮脂が少ない乾燥肌のトリートメントに良い。単品での使用でも良いが、ホホバ油、スイートアーモンド油、アプリコットカーネル油、オリーブ油などと混ぜて使うのもお勧め。背中や足のすねなどがかゆくなり、かき壊しや炎症を起こしてしまう人に。冬場や高齢の方へトリートメントを行うときに用いられる。

ローズヒップ油

(特徴)
癒傷作用、抗炎症作用、美白効果が期待できる。皮膚を再生、しわや老化を防ぐアンチエイジングの美容オイルとして人気がある。
(使い方)
新鮮なうちに使い切る。やや脂臭いので、気になるときには他のキャリアオイルと混ぜて使う。ブレンドオイルを作るときには、香りが強くて美容にも良い精油を1種類は入れると良い。目元やフェイスのケアに向く。皮膚がはがれたり、めくれたりしているとき、傷あと、荒れた肌や乾燥肌に、アプリコットカーネル油、ホホバ油、アボガド油などとブレンドする。

参考文献
  ・アロマテラピーの教科書

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