79.神との対話【解説】P162~163 苦労からの脱却⑤「ネガティブになる原因」

神との対話【解説】P162~163 苦労からの脱却⑤「ネガティブになる原因」

前回、ニールさんは神様に、今現在苦境に立たされていることについて、
”神様が自分を手助けしてくれる確信がもてない”ということを伝えました。
また、手助けしてもらえる確信が持てない理由として、
”この苦労は神から与えられた試練だと思っていて、神に耐えることを求められていると
思っているから”という内容を伝えました。

神様はニールさんに、これまでも伝えていたことですが、
再び「人がおこなう創造」について神様は手を出さないことをお話されました。
”あなたの選択しだいで、実現できないことはない。
それどころか、あなたが求める前から、わたしは与えようとしている”と、言われました。

ニールさんは、神様のこの言葉も”信じることができない”と言い、
祈っても応えてもらえなかった経験がたくさんあるからだと伝えました。

そしてニールさんがこれまで信じ続けてきたことを神様に伝えました。

①求めるものすべてを得られることはないということ。
②自分の人生がそれを証明していること。
③願いなどめったに叶うことはないこと。

このように「願いは叶わない」と信じてきたと話すニールさんに、神様は言いました。
「『人生は選んだものをめったに得られない』という考え、それも創造につながる思考だし、
それを含めて、人生はつねにあなたの思考の結果だ」と。

次にニールさんが失業に至った理由が、ニールさんの思考にあることを伝えました。
ニールさんの心は、もう以前からその仕事をイヤなものだと思い始めていたのです。
それを伝えるとニールさんは、確かにそうだったと気付いたようです。

「忘れないように、あなたの人生はあなたの意図するとおりに進んでいくのだよ」と、神様が諭しました。
そして、
「人生では選んだものがめったに手に入らないという理屈を証明させたいのか?
 それとも、自分自身や神の正体を明らかにしたいのか?」と、ニールさんに質問しました。

ニールさんはようやく、自分の苦しい境遇が自分の思考の結果であったことを理解し、そして悲しみました。
自分を恥じて悲しんでいるニールさんに、神様は優しい言葉をかけつつ、
「ただ自分の選択を認めて、選びなおしなさい」と言われました。

悲しみから抜けられないニールさんは神様に、
「なぜ自分はいつも暗いほうばかりを選ぶのか?暗いほうを選んでは、自分を責めるのか?」ということを
質問しました。

ここからが今日の解説です。

神様は、ニールさんの質問…なぜ自分はネガティブなのか?…について、二つの答えを上げています。
順番に説明します。

あなたがたは小さいころから、「悪い」と言われつづけてきた。
自分が「罪」を背負って生まれたのだと思いこまされてきた。
罪悪感は、そういう学習の結果だ。
あなたがたは、何もできないほど幼いころから、自分のしたことに罪悪感を感じるようにしつけられてきた。
完璧な者として生まれなかったことを恥じるように、教えられてきたのだ。

神との対話1 P162

何をしても「悪い結果」しか残せず、何をしても「恥を知る」ように育てられたなら、
確かに子どもは小さくなり、自分らしくなくなり、ネガティブにしかなれないでしょう。

次に、人の考え方に強く影響を及ぼしていることが”宗教の教え”によるものが多いため、そのこともお話されました。

あなたがたは不完全な者としてこの世に生まれ出たと教えられている。
あなたがたの宗教で言う原罪だ。

神との対話1 P162

この”教え”である原罪というものについて「あなたがたの罪ではない」と、神様ははっきりと言われました。
そして「神が不完全なものを創造した、創造できたと考えているとすれば、それは神を知らない世界があなたに対して犯した最初の罪だ」と言われました。

確かに、神が宇宙の創造者であり、完璧で完全な存在なら、どうして不完全で、原罪というものをもつ”人間”を造ることができるのでしょうか。
完璧で完全な存在である神様なら、完璧なものしか生み出さないはずです。

神様は「人間が原罪をもつ」という考えを、「誤解」だとはっきり言われました。
そして誤解である理由と、ご自分が創り出した生命について、次のように言われました。

わたしが生み出したもの、生命を与えたものはすべて完璧だからである。
生きとし生けるものはすべて、完璧さの完璧な反映であり、わたしの姿をかたどって、わたしに似せてつくられている。

神との対話1 P162

このように神様は、私たち命をもつものすべてを、「完璧」だと言われました。
私たち人間は、原罪など持ってはなく、一人ひとり完璧なのです。

次に、宗教についてお話されました。

だがあなたがたの宗教は、神は罰するという考えを正当化するために、怒りの対象をつくりあげた。
そのせいで、模範的な人生を送っている者まで、救われなければならないことになった。
~略~
要するに、何をしても復讐心と怒りの神の気持ちをやわらげることはできない。
復讐心と怒りの宗教に生命を与えるだけだ。
おかげで宗教はいつまでも栄える。
権力は多数の者が分かち合うのではなく、少数の者に集中しつづける。
もちろん、あなたがたは劣った考え、劣った思いを選び、自分を力のないちっぽけな存在だと思いつづける。
そう、教えられてきたのだから。

神との対話1 P162-163

ここでニールさんは、ご自分がネガティブになる理由を、ようやく理解できました。
それは、ニールさんが幼少のころから教えられ、しつけられてきたことが原因だったのです。

「ネガティブになる理由」についてまとめますと、以下の通りです。

①幼いころから「あなたは悪い」「完璧ではない」「恥じを知りなさい」と教えられ、思い込まされてきた。
②宗教により、人は不完全なものだと教えられ、急いで何とかしなければ「地獄へ落ちるぞ」とおどされてきた。
③その結果、人は自分を「劣っていて力のない、ちっぽけな存在」と思うようになった。

つまり、子どものころから教えられ思い込まされてきた「親の言うこと」と、神を誤解している教えが原因だと、神様はニールさんに伝えられたのです。
このことは、世代をさかのぼってたくさんの人たちが「ネガティブになる理由」として挙げられるものでしょう。

ニールさんは、自分がネガティブなのは自分のせいではないことを知り、少し安心し、神様に聞きました。

「どうすれば、そんな考えから逃れることができますか?」と。

神さまのお答えは次の通りです。

いい質問だ。そして、まさに適切な相手への質問だな!
この本を何度も読み返せば、そんな教えから逃れられる。
何度も、繰り返して読みなさい。
すべての文章が理解できるまで。すべての言葉を覚えられるまで。
誰かに本の中の章を聞かせられるようになるまで、暗く落ち込んだ時に本の中の文章が心に浮かんでくるようになるまで。
そうすれば、「そんな教えから逃れる」ことができるだろう。

神との対話1 P163

ネガティブになる理由は幼少のころからの「間違った教え」だと理解しても、
植え付けられ、根を張ってきた「考え方」や「思考のクセ」から抜け出すには少し時間が必要だと
私自身も経験しています。

けれども、信じていること(考え方)が変わると経験が必ず変化していくので、確実に苦労する状況から離れていきますし、しつこく残る感情…ネガティブさがあったとしても、必ず懐柔できるものです。
バシャールさんも「あなたの表層意識が変われば、深層意識も自然に変わる」とはっきり言われています。

安心して、この本を読み、理解して、自分のものにすると良いようです。

次回は人間関係について、ニールさんが質問されています。



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